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証券取引所の改革
単元株制度の廃止
単元株制度とは?
「そもそも、単元株制度って何なの?」
そのように思った人は多いでしょう。
単元株制度は株式取引における売買単位に関する制度です。
簡単に説明します。
日本の株式市場で株式を購入する際、最低購入金額は1単元=100株からと決められています。
アメリカの市場とは違って、1株からの購入はできません。
単元株制度のメリット
例外もありますが、現在の日本の株式市場では企業の株式を購入するためには最低売買単位の100株を購入しなければなりません。
単元株制度を採用する会社側のメリットは、株主管理コストが削減できる点です。
難しい言葉を並べていますが、要は株主総会を開く際のコストを抑えられるということです。
株式会社は1年に1度、株主総会を開催する義務があります。
株式会社の実質的な所有者は株主です。
ゆえに、上場企業は1年の事業報告をおこなって決算の承認を受けなければなりません。
株主総会に出席して議決権を行使することは、株主の重要な権利です。
多くの株式であろうが少量の株式であろうが、株式を保有している人には等しく与えられる権利なのです。
しかし、「企業側の本音はどうなのでしょうか。」
仮に1株から購入できるとします。
その場合、株式を少数しか保有していない株主に対しても株主総会の招集通知を発送しなくてはなりません。
「送る人数もコストもともに増えて面倒だ。」というのが本音ではないでしょうか。
単元株制度を採用すれば、事務手続きは簡素化されます。
会社にとっての経済的な負担は軽減されるのです。
廃止した際のメリット
単元株制度のメリットは前述しました。
しかし、現制度は「企業側が株主総会を潤滑におこなう事のみに主眼を置いた制度」と言わざるをえません。
「資金調達や企業の成長」という観点からは弊害のほうが多いのです。
最もわかりやすい例を出します。
それは任天堂です。
2022年10月1日、任天堂は1株を10株に分割しました。
現在の株価は6,000円台ですが、分割前は1株60,000円台で推移していました。
分割前に任天堂の株式を購入する場合は、最低でも600万円ほどの金銭を必要としたのです。
「そのような金額を簡単に出せるでしょうか。」
いうまでもありません。
そのような場合、投資する人間の数は限られてきます。
ですが、冷静になって考えてください。
「任天堂の主力製品は何でしょうか。」
任天堂はゲームコンテンツを売り上げの柱にしている企業です。
ゆえに、ターゲットとなる世代は子供です。
彼らが成長し、多額の金銭ではないにしても自由にお金を使えるようになったと仮定します。
「4,5万ほどであれば任天堂の株を購入したい。」という人は多くいるでしょう。
少額でも購入する人間が100人いる場合は数百万、1000人いる場合は数千万、1万人いたら数億円になるのです。
日本の株式市場を活発にしたいのであれば、数万円単位で広く薄く資金を募らければならないのです。
現岸田政権は発足当初、投資信託に課税をする趣旨の発言をしました。
愚の骨頂で、時代外れもいいところです。
未だに「投資をする人は金持ち」という古い考え方で、それは日本の成長を阻害してきた典型例です。
幅広い世代、階層から資金を集めることの重要性は述べました。
その証明がアメリカ市場です。
近年、アメリカでは投資をおこなう若年層が増加しています。
その要因は「ロビンフッド」という投資アプリです。
このロビンフッドの画期的なところは「手数料0円」という肩破りな投資法です。
投資をおこなってこなかった世代にこのアプリが投資を促したのです。
アメリカ株式市場の動向を示す「S&P500指数」という指数があります。
コロナ禍に入った直後の2月末からの1ヶ月、この指数が35%下落してしまいました。
しかし、8月にはⅴ字回復してほぼ同じ水準に戻っています。
この原因のすべてがロビンフッドによるものとは言えませんが、回復の要因の1つであるのは間違いありません。
自由で利便性の良い市場には投資が集まるのです。
日本も幅広い階層に門戸を開くべきです。
でなければ、日本の資産が海外に流出してしまいます。
というよりも、すでに流出は始まっています。
現在、日本の若年層にもアメリカ株の波はおしよせています。
1株単位から購入できるアメリカ株のほうが「魅力的で、成長も期待できる」と考えているようです。
まとめ
日本の株式市場も企業の都合ばかりを優先せずに、1株から購入できるようにするべきです。
長期目線で見た場合、そのほうが多くの資金を集めることができます。
それが成長を促す原動力にもなります。
投資に対して古い認識の政治家たちは認識を改めるべきです。
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