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近年日本の伝統工芸は技術・独自性・性能の良さから世界からも注目を集めています。
一方で後継者不足は以前から懸念されていました。
後継者不足の原因とは
後継者不足の原因がいくつかあるので掘り下げていきます。
1.売り上げが減り、後継者を育てる余裕がない
売り上げが上がらない理由もいくつかあります。
・製品は一流だが、大量生産品との価格競争に勝てなかった
・経営や広報が苦手
・地球環境の変化による材料の高騰材料
売り上げが伸びないと育成にかける余裕はありません。
2.職人の働き方が現代に合わない
職人は企業のようにきっちりと決まった就業時間や手厚い福利厚生があるわけではありません。
平均寿命も伸び、物価も上昇した現代ではリスクが高く、職人になるという選択が選べない人もいるでしょう。
働き方改革で後継者不足を解決
上記の理由は働き方を変えれば解決するのではないでしょうか?
私はテレワークが解決する鍵だと考えます。
企業にてテレワークで仕事をしながら、空いた時間に職人さんから伝統工芸を学ぶのです。
そこで、メリットとデメリットを考えてみました。
メリット お弟子さん側
①主となる収入源がある
職業を選ぶ上で大切なポイントの1つは「稼げるかどうか」です。
売り上げが伸びにくいという工芸でも、お弟子さんに主となる収入源があれば安心して働くことができるのではないでしょうか。
②地方でも働ける
伝統工芸は見て技を学ぶものが多いので、その場に行き、直接教わる必要があります。
地方であってもテレワークなら働くことが可能です。
テレワークはパソコンとネット環境があればどこでもできます。
都会の喧騒から逃れたいという人にもうってつけです。
テレワークと伝統工芸の相性の良さがうかがえます。
③リスク回避&ステップアップ
企業に勤めていれば、定年があります。
また、勤めている会社がいつまでも順風満帆とは限りません。
その他、結婚・子育て・介護など、ライフステージの変化、自然災害などの非常事態によって現在の働き方ができないことも考えられます。
様々なリスクが考えられる中、もう1つできる仕事があるというのは心強いです。
伝統工芸の技術を身につけ、将来起業するという選択肢もアリですね。
メリット 職人さん側
①お弟子さんに主となる収入源がある
これは職人さん側にもメリットです。
たくさんのお給料は払えなくても、お弟子さんに主となる収入源があれば安心です。
②後継者ができる
技術が継承されることはとても大きいです。
③新しい考え方をもてる
お弟子さんが企業で身につけた能力が、伝統工芸に生かされることも考えられます。
データ収集、広報の方法、新製品の案など、新しい知識が職人さんにももたらされ、伝統工芸の生き残りのヒントになるかもしれません。
デメリット
①育成に時間がかかる
昔ながらのように住み込みで働いたり、何時間も共にするような時間が割けない分、技術の習得には時間がかかるでしょう。
限られた時間を有効に使えるよう、動画を撮り練習するなど、効率よく学べる工夫が必要かも知れません。
②労働時間の管理
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によると、労働者として雇われる形態で副業をする場合、労働基準法の規制(1日8時間、週40時間を超えない)は通算して適用される、とあります。
また、雇用主が働いた時間を把握することとされています。
企業と職人さん、双方の理解が必須です。
メリット・デメリットを考えてみましたが、メリットの方が圧倒的に多いです。
実際に導入している例
実際に副業で伝統工芸を学ぶという取り組みはあるのでしょうか?
探してみたところ、こちらのサイトがみつかりました。
https://greenz.jp/2019/06/07/terakoya_kataya/
上記の職人さんは観光客向けの体験コースから弟子入りコースまで幅広く扱っています。
まずは伝統工芸を体験し、職業にできるかどうか判断することも大切ですね。
実は副業に向いている?日本人
副業という働き方は新しいと思われがちですが、古来より副業はありました。
例えば、侍は副業として傘やわらじを作って収入を得ています。
また、今でも農閑期には、工芸品づくりをしたり、アルバイトをする文化があります。
副業はコツコツ真面目に働く日本人は最も適している民族かもしれません。
本の紹介
https://www.amazon.co.jp/日本でオンリーワンになるためのハローワーク-伝統工芸を継ぐ-ギル・バート/dp/4779400341
2005年発売なので情報は少し古いかもしれませんが、後継のいない伝統工芸を習得すればオンリーワンになれるという考えの本です。
チャンスと可能性を感じると共に、後継者不足の工芸を知ることができます。
新しい働き方=テレワークが伝統工芸を救う
理想は転職・求人サイトのように募集中の副業がパソコンから簡単に調べられ、マッチングできればいいなと思います。
しかし、これは職人さん側も企業側も理解が必要です。
これからの日本に伝統工芸を残すこと、ひとりひとりの暮らし方、働き方を尊重することで「テレワークと副業・伝統工芸」が実現するでしょう。
絶滅危惧種の生き物のように、伝統工芸も絶えてしまえばその技術の復活は望めません。
現代に合わせた多様な働き方で伝統工芸を守り、次の世代に受け継いでいってほしいものです。
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