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 私が提唱する「義務教育過程基礎科目の完全オンライン化」は、日本の教育環境の改善を目的としています。教育格差や教員の長時間労働などの問題を、包括的に解決する方法はあるのでしょうか。ともすれば夢物語かもしれません。

でも、こんな教育を受けられたら素敵だと思いませんか?

日本の教育環境の改善 〜全国統一オンライン授業〜

by うみ

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うみ

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【はじめに】

 

 私がこれから書く文章は、「日本の教育環境の改善」を目的としています。日本の教育現場は、子供の教育格差や教員の長時間労働など、数々の問題に直面しています。その中で、これらの問題を包括的かつ長期的目線で改善できる方法は、果たしてあるのでしょうか。私は歯学部の3年生です。小中高と学校に通い、勉強に励んで参りました。その環境を享受する中で、当時考えていた、こうだったらよかったのにというアイデアを、今回この場を借りて文章に書き起こしました。これから書くお話はともすれば夢物語かもしれません。でも、こんな教育を受けられたら素敵だと思いませんか?

 

 

【全国統一オンライン授業】

 

 本文章で提唱するのは、義務教育過程の基礎科目 全国統一オンライン授業です。

これによって生じるメリットは以下の5つです。

  1. 全国的な就学レベルの画一化
  2. 子供の学習意欲向上
  3. 外国籍の子供の就学支援
  4. 教員の労働環境改善
  5. 子供の人格形成支援

これらの理由について、以下具体策を講じながら説明していこうと思います。

 

 

【1.全国的な就学レベルの画一化】

 

 義務教育課程基礎科目の授業を全国統一でオンライン配信することで、全国的に就学レベルが画一化されると考えます。

 現在、各都道府県によって学習レベルは大きく異なります。例えば令和4年度の全国統一学力調査の算数では、1位の東京都の正答率は67%なのに対し、47位の沖縄県は59%と、国内で8%も差がついています。同じ義務教育制度のもと学習しているのにも関わらず、住んでいる場所によって修学度合が異なるのは、教育格差と言えるでしょう。より小さな視点で例えるならば、うちのクラスの山田先生よりも、隣のクラスの田中先生の授業の方がわかりやすかった、なんてことはありませんか?次も田中先生が授業してよ〜とぼやいたものです。

 では具体的にどうするか。国の採用試験を突破したトップ講師が授業を行い、その録画を子供が見ます(録画である理由は次の項目でお話しします)。その際、子供が自分に合う講師が選べるよう、5人ほどの講師が同じ授業を行います。小学1年生は2人から、学年が上がるにつれて選べる人数が増えていくと、子供の負担にならないでしょう。

 

 

【2.子供の学習意欲向上】

 

 次に、子供の学習意欲の向上です。授業は、同じ単元でも複数のレベルを設けて行います。スタンダード、ハイレベル、トップレベルといった形です。

 これは子供同士でも話題になるでしょう。小学校のありし日に、友人とゲームをやっていました。友人はすでに次のステージ。悔しくて、親の眼を盗んで夜な夜なゲームをし、次友人と会った時には友人の2つ先のステージまで追い越す。これと同じ原理です。子供同士の闘争心に火がつけば、子供たちは自発的に高いレベルの授業が受けられるように勉強に精を出します。

 具体的には、授業を受けた後、オンライン上で宿題を解きます。宿題には、その子に適した問題をAIが判断し出題します。宿題の正答率が一定レベルに達すると、上のレベルのクラスの講義を受けることができます。また、授業を録画にすれば低速・倍速再生を行うことができます。そうすれば自ずと進度も異なってきます。宿題の正答率が基準値以上かつ全ての宿題をこなすと次の単元に進めるようにすれば、授業レベル・単元進度で子供たちは競うことができます。

 さらに単元について応用的な話をします。中学卒業までに中学範囲の単元を全て修めることで、中卒認定が取得できます。なお、学習単元は高校範囲まで用意されており、高校範囲まで修めれば高卒認定が取れる仕組みです。高卒認定を取得した上で高校に行くか、大学に進むか、就職するかは自由です。高卒認定が取れているにも関わらず高校に行く意味は何か。高卒認定所持者が集まる高校は、自ずと大学の一般教養過程的な立ち位置になるでしょう。様々な分野を広く深く学ぶことで、それが学校の特色になりますし、留学へのハードルも下がります。このような立ち位置になれば、オンライン制度導入によって新たに生じる、「高卒認定があるから高校に行くことは無駄だ」という理論は淘汰されるはずです。

 

 

【3.外国籍の子供の就学支援】

 

 現在各学校で行っている外国籍の子供への支援は、手間と費用がかかり、一つの学校や地域で担うのにも限界があります。少子高齢化やグローバル化が進む中で、コロナ禍が落ち着けば今後ますます外国人労働者は増えるでしょう。その中で彼らの子供の就学支援はますます必要となります。言葉も人種も異なる人に囲まれて新たな人間関係を築かなければならない状況と言うのは非常に孤独です。授業中は専門家が用意したプログラムにより費用を抑えつつ質の高い日本語教育を提供し、放課後は教員や地域コミュニティと共に日本語を学ぶことで、より早く日本に順応していくことができると考えます。

 

 

【4.教員の労働環境改善】

 

 現在の教員の労働環境は過酷です。平均的な労働時間は96時間44分/月と、過労死ライン80時間/月を大きく上回ります。基礎科目をオンラインで担えば、教員はそれにかける準備や授業時間を削減することができます。子供がオンライン授業を受けている時の見回りは、アルバイトで人員を確保することができます。

日本教職員組合 2021 年 学校現場の働き方改革に関する意識調査

 

 

 

【5.子供の人格形成支援】

 

 では教員は何を仕事とするのか。現在、様々な地域で部活動の外部委託化が進んでいます。ですが、私はむしろ部活動や文化的科目こそ、教員が担うべきだと考えます。国は部活動の意義として、中学校学習指導要領に「スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資する」と記しています。みなさんは部活動で何を得ましたか?ドリブルの仕方、楽譜の読み方、たくさんあると思います。ですが、真っ先に浮かんだのは仲間と汗を流したこと、顧問に叱られたこと、チーム仲間との友情ではないですか?部活動で真に求められるのは、その競技のスキルではなく、人としての成長、今後の人生の糧となるもの、なのではないでしょうか。授業を長くして勉強を詰め込み、外部チームでスキルを身につけるよりも、体育や音楽、書道などで広く教養を身につけ、新たな価値観を身につけ、部活動で成長し、その先の人生で糧になる経験を蓄えるということが、義務教育に求められるべき内容だと私は考えます。

 

 

【デメリット】

 

 ここまで幾つかのメリットを述べてきましたが、ここでデメリットについても考慮していこうと思います。私が挙げるのは2つ、「設備投資にお金がかかること」、そして「教員の余剰」です。

 まず設備投資について。これに関しては、どう足掻いても避けようがありません。それゆえに全国的なオンライン化というのは夢物語、というのは私が冒頭で述べたまでです。しかしながら、数年前に比べれば、そのハードルは下がったようにも見受けられます。コロナ禍で全国の公立小中学校にタブレットが普及したからです。現在全自治体のうち96.1%は学習端末を整備済み、それらを週一回以上使用している小学校は50%、中学校は35%です。コロナ前に比べ、使用を前向きに検討することができるでしょう。

 次に教員の余剰について。現在教員は定員割れしていると言っても、それ以上に人員は削減する方向に進むでしょう。この問題を解消するために、現在廃止された教員免許更新制の再開し、更新頻度を増やすこと、また新規の教員採用試験の合格率を下げることを推奨します。合格率に関しては医学部・歯学部国家試験と同じ、下位数割を落とす仕組みです。これによって、教員数は減少しつつも、教員の質は向上します。浮いたお金は、初期投資の返済、教員の賃金の底上げ、これからの教育現場への設備投資に当てることができます。

 

文部科学省 教育の情報化 ~GIGAスクール構想の実現~

 

 

 

【まとめ】

 

 日本の教育環境を改善するために、私は義務教育過程基礎科目の完全オンライン化を提唱します。

メリットとして、

  1. 全国的な就学レベルの画一化 ― トップ講師による授業の録画配信
  2. 子供の学習意欲向上 ― 授業を複数レベル展開、先の単元まで配信
  3. 外国籍の子供の就学支援 ― 国の専門家がプログロムを用意
  4. 教員の労働環境改善 ― 基礎科目の準備・授業時間短縮
  5. 子供の人格形成支援 ― 教員が文化的科目、部活動に注力

が挙げられます。これが夢物語だとしても、未来の子供たちが、より質の高い教育を受けられる国になれば素敵だなぁと思うのです。

【参考】2022年7月31日参照

文部科学省 令和4年度全国学力・学習状況調査の結果

国立教育政策研究所 令和4年度全国学力・学習状況調査の結果 実施概況

日本教職員組合 2021 年 学校現場の働き方改革に関する意識調査

文部科学省 教員勤務実態調査(平成28年度) (確定値)について

文部科学省 中学校学習指導要項

文部科学省 教育の情報化 ~GIGAスクール構想の実現~

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